ビニールカーテンの防炎と不燃の違いについて
【プロ担当の専門情報】ご購入前に知っておいていただきたい、ビニールカーテン豆知識を多数掲載しています。
ビニールカーテンやシートなどの「防炎ビニール」と「不燃ビニール」の違いついての豆知識。「防炎」と「不燃」の違いを分かりやすくご説明いたします。
- この豆知識の目次
- 業務用には非防炎、防炎、不燃のどれが良いですか?
- 防炎ビニールと不燃ビニールの燃焼実験による違い
- 防炎シートの糸入り透明ビニール
- 防炎シートのウルトラマックス
- 不燃シートの不燃ターポリン
- ビニールカーテン・シートの非防炎の危険性について
- ビニールカーテン・シートの防炎性について
- ビニールカーテン・シートの不燃性について
業務用には非防炎、防炎、不燃のどれが良いですか?
ビニプロにて扱っているビニールカーテンやテントシートなど塩ビ系ビニールシートの多くは、基本的(一部を除く)には、防炎ビニール・シート、もしくは不燃ビニール・シートの商品になります。国内の工場、倉庫、店舗などで使用されているビニールカーテン、間仕切りシート、ビニールカバーなどは基本的には業務用ですので延焼の危険性の高い「非防炎」ではなく、「防炎ビニール・シート」、もしくは「不燃ビニール・シート」が使用されており、非防炎(防炎機能も不燃機能もないただのビニール)は住宅などで使用されているのが一般的となります。
注意点は、クリアな透明ビニールなどは、見た目では非防炎か防炎か判断がつきにくいため、一部の販売店やインターネットサイトなどでは、非防炎素材を防炎として販売されているケースもございますので、注意が必要です。ビニプロでは、クリアな透明ビニールで防炎素材は、国内でも有名で実績・信頼性抜群のフィルムメーカー、アキレスの透明ビニールを主力として取り扱っておりますので、ご安心してご利用頂けます。アキレス透明ビニールの特徴をご覧頂き、防炎と非防炎の見分け方なども参考にして下さい。
特に工場などの場合、非防炎などの一般ビニールを使用している場合、消防署による指導・是正勧告など指摘される場合が多くございます。これら、防炎、非防炎、不燃などビニールについて下記ご案内いたします。
防炎ビニールと不燃ビニールの燃焼実験による違い
上記は、糸入り透明ビニール350A(防炎)、ウルトラマックス(防炎)、不燃ターポリン(不燃)、3種類の燃焼実験を行った写真です。無風状態でライターで引火し続けた状態の写真となります。
防炎シートの糸入り透明ビニール
素材は防炎機能を持つ糸入り透明ビニールシートのVP350Aを使用致しました。着火してすぐに塩ビが燃えて10秒後には穴があきました。火元を当て続けている間は、燃焼し続けるため秒数を増やすと穴は広がり続けます。糸入り透明ビニールカーテン・シートなどは、不燃素材はございませんが耐油素材を除き、ほぼ全てに防炎機能が付いております。
防炎シートのウルトラマックス
防炎ビニールカーテン・シートの中でも、一般的でスタンダードなテントシート生地のウルトラマックスを使用致しました。着火して10秒後にようやく薄く小さな穴が見えます。糸入り透明に比べて穴があくまでには時間を要するため、防炎機能としては糸入り透明、透明ビニールシートなどに比べて高い防炎効果がございます。
不燃シートの不燃ターポリン
不燃シートのRG4200を使用致しました。不燃シートの中で最もポピュラーで安価な不燃シートです。燃焼実験は、20秒以上着火しても基布は燃えませんでした。上記から1分以上、火元を当て続けても燃えぬける事がなく、表面の樹脂が溶ける程度で収まります。
生地の損傷・穴の開き方などは、生地の厚みにも関係してきます。不燃ターポリンは厚み0.42mm、ウルトラマックスは0.47mm、糸入り透明は0.35mmですが、薄いほど穴があく速度も速くなります。いづれの生地もライターなどの火元を離した時点で自己消化性によって鎮火致します。これが防炎や不燃などの機能性を持たない非防炎の場合は、火元を離しても燃え続けます。
ビニールカーテン・シートの非防炎の危険性について
ビニールカーテン・シートの素材で非防炎のものは、用途によってはコストパフォーマンスが高い商品ですが、主には住宅用が一般的で、業務用・商業用など人の往来が多い場所、工場や倉庫内などは一般的には防炎機能か不燃機能を有するビニールやシートを使用してビニールカーテンや間仕切りシートを使用致します。
非防炎のビニールカーテン・シートですと、煙草程度の火でも、燃え上がってしまい延焼などの可能性が高いため、屋外・屋内用途に限らず、工場、倉庫、店舗などでのご使用については、防炎、もしくは不燃のビニールシートやテントシートをオススメしております。 (非防炎を使用していた場合、消防署などからの指摘、是正、撤去命令などもございます)
通常は、商業施設、店舗、工場、倉庫など業務用として使用されているビニールカーテン、間仕切りビニールなどのほとんどは防炎か不燃素材のビニール、シートを使用されておりますが、稀に非防炎の素材を使用されている場合もございます。危険ですのでくれぐれもご注意ください。
ビニールカーテン・シートの防炎性について
「防炎」とは?についてのご説明を致します。防炎ビニールカーテン、防炎テント・シートなどの防炎の語源は 「炎を防ぐ」と書いて防炎です。
基本的には難燃性で非防炎などと比べると燃えにくく、火元があたり続けると、素材自体は燃えてしまいますが、火元を離すと自己消化性によって、それ以上はビニール自体が燃え上がらない性能になっております。
上記の通り、火元が当たり続けると燃えますが、火が燃えうつりずらいので、ある程度の時間稼ぎとなり、最悪のケースを防ぐことができる可能性が広がります。日本では最も多くのテント屋根、塩ビカーテン(ビニール素材)、屋内間仕切のシートなどで利用されている機能性素材となります。
ごくごく稀に、インターネットサイトなどで防炎と記載があっても、実際は防炎効果のない生地なども見られましたが、ビニプロで取扱いの防炎素材は、国土交通大臣認定や、防炎協会認定の防炎素材などを厳密に、厳選して取扱い管理を行っておりますのでご安心ください。
ビニールカーテン・シートの不燃性について
「不燃」とは?についてのご説明を致します。不燃ビニールカーテン、不燃テントシートの語源は「燃え不(ず)」と書いてふねんです。火元があたると、表面の樹脂・塩ビ部分は燃えますが、中の基布(ガラス基布)までは燃えぬけないため、シート自体の原型は保ち、シート反対側への燃え広がりを抑えます。(ガラス基布とは、ガラスの繊維が生地自体に練りこまれているもののことを言います。)
※不燃材には防炎剤も含まれております。
また、火元を当て続けている間、シート表面は燃えますが、風などで燃えたシートが飛んだり、飛散した場合でも防炎と同様に自己消化性を有しますので、燃え広がりません。主に屋内の工場や倉庫、店舗などの消防検査などで指摘される環境などでは不燃指定であれば、屋内の間仕切りカーテンや屋外のビニールカーテンとしての利用を許可されるケースが多くございます。 「燃えぬけない」という表現が一番わかりやすいかと存じます。
透明・不燃ビニールについて・・・ 「不燃」はガラスの繊維を生地自体に練りこむため、透明のものを作ることが困難でした。
それまでは不燃のもので透明に近いものだと、【屋内・防炎】半透明テント・シートカーテン RG3200Fや【屋内・防炎】半透明ビニールカーテン G1025BTがなどの半透明が主流でしたが、2015年9月にアキレスより不燃・透明ビニールカーテン VP-030FNが発売になり、透明カーテンでも、不燃材が使用できる事となりました。
現状は、不燃の透明ビニールについては、原料や生産コスト上、防炎の透明ビニールに比べて価格がまだまだ高いのですが、どうしても透明で不燃ビニールをお求めの場合などには柔軟性・透明度もあるアキレスフネンクリアをオススメ致します。
少し話がそれましたが、「防炎」と「不燃」についてのご説明となります。 非防炎は、安価なビニールですがご家庭での使用ではなく業務用に使用するのは大変危険ですので、ご注意ください。ビニールカーテンなどは5年~使用する場合が多く、中期でみた場合でも防炎素材がオススメです。(非防炎も一部取扱いはございますが、業務用は極力、防炎のご利用をおすすめします。)
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